お持ち帰り双子小説(18禁)



誘 惑 の バ ン ビ ~ ノw



「シド・・・、あまり力むな。痛むぞ?」
「そ・・・んなこと言われたって・・・っ!」
なにやら妖しげな会話が聞こえてくる、ワルハラ宮内近衛副官殿の一室。
早番と遅番が入れ替わる夕暮れ時、本日双子は一緒の勤務上がりの日だった。
仕事が終われば各々自由な時間を過ごす事についてはあまり口うるさく言う人間はいないわけだが、ここにもし人が通りかかれば、『夜まで待てないのか?』とか『日の高い内からお盛んな事で』と茶々を入れる輩がいてもおかしくない。
だが、そんなことをからかいに来る命知らず・・もとい暇人はここでは数少ない。
「い・・ったいっ!」
ひっ・・と息を飲み込んで切っ先の侵入に耐えるものの、痛みは身体を突き抜けていく。
「我慢しろって・・。もうすぐだから・・・」
そう、後ろから囁きかけながらも、バドはなおも侵入の手を弛める事は無い。
「んっ・・、んっ!」
つぷ・・・とか細い音が耳に届いたのと同時、一際奥まで入れられたかと思うと、よし、と確認したバドは、その手を一気に引き抜いた。
「はあー・・・」
異物が入っていた不快感が一旦抜き去られたシドは、一息つく。
「ほら、穴開いたぞ」
「すみません・・・;」
「・・・ったく、ピアスの穴開け位でそんなに痛がるなよな・・・」
背後からぽふっと髪を撫でられるように手を置かれたシドは、半分涙ぐみながらすぐそこにあるバドの顔を見つめつつ礼を言った。


何故急にピアスをつけようとしたのか、それはバドが先日一週間ほどの出張に出た際、シドへの土産に、彼に似合いそうな一対のピアスを買ってきたのが発端だった。
しかしながら、バドは前々から穴あけを済ませていたのだが、シドは全く耳にそういった類の物を通した事はなかった。
でも、一対とは言っても両耳に付けるためではなく、互いの左耳に一つずつつける為に買ってきたものだと主張する兄に絆されて(?)穴あけを実行したという訳である。


「毎晩もっと痛い思いをしているだろ?」
くくくと笑いながらそう囁くバドに、シドはかぁ・・っと顔を赤らめていく。
「んな・・っ!何を言い出すんですかっ!?」
白い頬がリトマス試験紙の様に変化していくシドに、バドは更にいたずらっ子の様に笑いながら、自分達の誕生石で作られた初心者用のピアスを手にして、シドの耳に触れた。
「っ・・・」
優しく指を添えられたことで、今度は痛みのせいではなく別の意味で身を竦ませるシドに、バドは大丈夫だってと声をかける。
「さっきほど痛みは無いから、んなに緊張するな」
道はあけたんだからそこに針通すだけだからと、ベッドにちょこんと座るシドの身体を、足を広げて後ろから抱きかかえるようにして座りながらバドは緊張を和らげる様に言う。
だが、それはシドにとっては全くの逆効果になり、至近距離から聞こえて来る声と、微かに耳にかかる吐息の相乗効果が、じりじりと興奮を高めていく。
下唇をきゅう・・・っと噛み締めて、兄に悟られないように自らの身体の高ぶりを鎮めようと、両太ももをぴったりとくっつけてすり合わせる事でやり過ごそうとしても、神経を集中させて耳たぶにピアスを通そうとする為に動き回る兄の指使いがシド自身を煽っていく。
「・・・あれ?っかしいなぁ?中々入っていかないぞ?」
「っ・・・・ぅっ・・・」 今ここで、兄を制止すればなおの事、後ろを振り返れば確実に自分が欲情しているのがばれてしまう。
「よし!入った・・・シド?」
先ほどから急に押し黙ったシドの身体を、バドはぐいっと引き寄せて顔を覗き込んだ。
「どうした?」
「あ・・・、いえ、ありがとうございました・・・」
何とか赤面状態から脱出したシドは、表情だけ取り繕ってベッドサイドから立ち上がろうとする。

そんな彼の様子にバドは何かを悟ったように、にやりと唇の端を吊り上げた。
それはまるで、赤ずきんに言い寄る狼の如くの微笑み。

「あ、ちょっと待て。シド」
「え?」
立ち上がりかけたシドの手首を、バドの手が軽く掴んで座りなおさせると、更に身体を密着させる為に後ろから両腕を回し、今しがたピアスの入ったばかり左耳を、その指先でちょんと触れる。
「血が出てる」
「え??」
思わず自分の耳を見ようとするが、シドにとって不幸なことに、見渡せる位置に鏡が無いので確認は不可能だった。
そんな彼の様子を見て、加虐心に火がついたバドはつい・・・と唇を耳元に寄せて擽るような声色で囁きかける。
「俺が消毒してやるからじっとしていろ」
「えっ・・・、や・・・っ!」
身動ぎも返答も待たないままに、バドの舌がシドの埋め込んだばかりのピアスにあてがわれる。
「んん・・・っぅ!」
チロチロと舌先で傷口であろう部分を這い回る感触に伴いぴちゃ・・・と聞こえて来る水音に、シドの身体は小刻みに震えだす。
きつく抱きしめられている為に、漏れそうになる声をふさぐ事もままならずに、必死に欲望に抗おうと耐えているシドにバドはにやりと笑い、唇で耳たぶ全体を覆い隠す。
「やぁっ・・・!」
しっとりとした柔らかい耳たぶを唇全体で揉み解し、軽く歯を立てて吸われるを繰りかえされながら、段々と上の軟骨へと、与えられる愛撫は移動していき唾液が滴る位に裏をもしゃぶり上げられていく。
びくん・・・と跳ね上がる身体は、バドの両腕によってしっかりと押さえ付けられ、着衣の中で段々と頭をもたげていくシドの欲望はどんどんと膨れ上がっていく。
「や・・・、ぁあっ・・!」
「ん?どうした?」
何食わぬ顔をして、涼しげな声で問われても何も答えられないシドの衣服の前ボタンをプツプツと外していくバド。
「やぁっ・・・、あっ・・・ぁん!」
そのままその手をするりと忍び込ませ、しっとりと汗ばむ白い胸に色づく赤い突起を、辿り着いた尖った爪で軽く引っ掻いてやる。
まるでそこにも針を通そうかと言うほどに爪を立てたかと思うと、今度は指先のタッチに切り替えて、摘んだりこねくり回したり。
「あ・・・は・・・あぁっ・・・!」
「何だ?消毒だけでそんな色っぽい声を出して」
初めから気づかれていた上での発言を耳元で囁かれたシドは、さぁ・・・ッと羞恥を顔に上らせた。
耳にあった唇は、既に濡れた舌先で頬から首筋に下りていき、血を吸われるかのようにきつく吸い上げられていく。
「や・・・あ、あぅっ」
もう既にズボンの上から隠しきれない張り詰めている自身を模るように、バドはそっと大きな手で衣服越しに触れてやる。
「あんっ」
きつく閉ざすようにすり合わせていた太ももは、少しでも快感を得ようとバドの手を導き入れる為に、するすると解かれていく。
「イイ子だ・・・」
胸を嬲っていた手が、深い口付けを与える為に、シドの顎に掛かりそのまま横向かせる。
「ふ・・っん・・む・・・ぅんっ」
これ以上焦らすのはさすがに気が引けたのか、バドはズボンのジッパーに手をかけて弛めてやると、シドは無意識のうちに、それを膝の辺りまで下ろそうとしてもぞもぞと動き出す。
「ん・・・ぁあ・・・んっ!」
バドの舌が唇を割って口内に侵入したのと同時、直に先端に触れられたシドの瞳からは一筋の涙が伝っていった。
「あ・・・んっ、ああーっ!」
舌先を捉えられ、絡め合わされながら、根元から先端にかけて、ぬるぬると敏感な場所を扱かれていく快楽に、シドは大きく身体を痙攣させながら達していた。

「は・・・はぁっ・・・は・・・っ」
未だ焦点が会わない瞳で肩で息をするシドの体を抱き上げて、どさりとベッドに押し倒すバド。
だがその時、身にまとう衣服を脱がしにかかろうとするバドの手を、シドの手がぎゅうッと掴んだ。
「な・・・何だ?;」
潤んだ瞳でも、じー・・・っと恨みがましそうに見上げてくるシドに、バドもさすがにやり過ぎたかも(汗)と思い始めた。
「・・・ずるい・・・」
「は?;」
何が?と問いかけようとしたその時、一瞬の隙をついて起き上がったシドによって、バドの身体は押し倒されていた。
「なっ・・・!?おいっ!早まるなシド!!」
身の危険と貞操の危機を感じたバドは、シドを自分の上から下ろそうと手を伸ばすが、その予想に反してシドの顔はそろそろと下半身部分に下りていく。
「ちょ・・・うぁっ・・・!?」
何事かと上半身を起こしたのと同時、下腹部にさらさらとした前髪が掛かったかと思うと、己の着衣に手をかけて、たぎり始めた自身を取り出してくわえ込む弟が視界に入ってきた。
「ま、て・・・、く・・・ぅっ!」
止める間もないまま、温かい弟の口内に誘われたバドは、その目の眩むほどの感覚に思わず声をあげる。
それと相乗して、ベッドの上に上着だけ纏った状態で、しどけなく両足を投げ出して四つん這いになりながら、猛る自身を銜え込むシドの姿。
「ん・・・んぐっ・・・!」
あられもない弟の姿態に更に熱が集束していくのを感じたバドは気を取り直して、口内で膨張を増した事によって僅かに喉を詰まらせたシドの頭を軽く押さえつけ、腰を浮かせさせると、その無防備な下半身に手を伸ばしていく。 
「んくっ・・・ぅ!」
太ももを伝うシドの白濁を少々指で掬い上げてから、トロトロと裏側に流れ落ちていたそれと混ぜ合わせるかのように先端を突き入れるて軽くほぐすように動かすと、そのまま一気に三本の指を銜え込ませていく。
「んんぅんっ!」
ズブズブと抵抗無く入っていく指が、急に悦部を抉った事によって、奉仕が一旦止まるものの、その反動でキュゥッと口内が狭まる事で、バドの欲望はますます高まっていく。
「ん・・・?どう、したんだ・・・、止まっているぞ??」
僅かに息を荒げながらも、シドの奥に入り込ませた三本の指の動きは休めることなく、敏感な柔らかい内壁を擦りあげながら出入りを繰り返してやる。
そうする事によって、シドもまた促進されていく刺激に身を焦がされながら、兄に対する奉仕は実を帯びていく。
「う・・っく!シド・・・っ!」
弟の口内で自身がはじけるのを感じたバドは、反射的に頭上の戒めと内部の犯入を解除するが、彼はそのまま兄が放つ欲望の証を口の中に受け止めていく。
「んっ・・く・・・」
ゴクン・・・と喉を鳴らして、唖然とするバドの目の前でそれを飲み込んでいくシド。
唇の端からは、飲みきれない残骸が零れ落ちていくがそれをも指で掬い取り口の中に運んでいく。
「馬鹿っ!無理するな!!」
吐き出すように勧めるバドに、シドは小さく頭を振る。
「いつも・・・、兄さんばかりに気持ちよくさせられるのはずるいし、悔しいなって思っていたから・・・」
そう言って照れたように微笑む弟に、目を見開くバド。
「ばぁか」
苦笑しつつ、コツンと軽く頭を小突きながらもぎゅうっと抱きしめながら、清廉な顔に僅かに飛び散った白濁を舐め取ってやる。
くすぐったさと、大好きな兄の体温を感じ取る為に背中に両腕を回しながらも、シドはバドの左耳に飾られた同じ形のピアスにそっと唇で触れた。
「シド・・・」
熱病に浮かされた声で囁きながら、そっとシドの身を柔らかいシーツの上に横たえたバドは、熱を解放してもそそり立つ自身の先端を、蜜を零す秘所に宛がった。
「あぁあ・・・っ!」
ぐっと自身を押し当てられ、中に入ってくる兄を感じながら、シドは瞳を閉じて待ち焦がれた熱い漣に酔いしれる。
奥の奥まで繋がれたのと同時にバドの唇がシドの唇に重なり合い、何度目かの口付けを施し始める。
「んっ!んんぅ・・、っぅんっ!」
先ほどとは比べ物にならない位に激しく舌を絡ませながら、ぎしぎしとスプリングを軋ませながら、バドの腰も大きく前後に揺れ動きだす。
「んっ・・くぁ・・!ぁあ!」
抱きついていたシドの手が、バドの背に滑り落ち、綺麗に伸びた爪が逞しく均整の取れた肉に突き立てられていく。
その痛みに僅かに顔をしかめながらも、バドはシドの身体を抱きしめる腕を弛める事は無く、更に強く力を込めていく。
「に・・さんっ、にいさぁ・・・っ!」
白く塗りつぶされていく、強い快楽の渦にぎゅうっとしがみ付いて裸体をくねらせて喘ぎながら、滴る甘い色香で掠れた声で己を呼ぶシドに、バドもまた堪えきれずに更に大きく足を広げさせて深く深く弟の中に突き刺していく。
「うあ・・ああぁあっ・・・・、いくっ、いくぅ・・・っ!」
びくびくと大きく仰け反って達したシドの腹の上には、己自身の白濁が飛び散り、バドもまたシドの内部に二度目の熱を注ぎ込んでいた。


夜中・・・。
そのままベッドに倒れ伏して眠りについていた二人だが、不意にシドが目を覚まし、寝入っているバドの左耳に飾られているピアスにそっと手を伸ばした。
「・・・・・・。(くす)」
そして、すーすーとあどけない寝息を漏らすバドの鼻先に、静かに指先を移動させて優しく触れる。
「だいすき・・・」
そっと呟きながら、兄が起きないように微かに身じろいで、無防備な線を描く首筋に唇を這わせ様と顔を埋めていく。
「突き飛ばしたって離れませんよ・・・?」
いつも兄によって付けられている独占の朱い花を一つ散らし終えた弟は、無邪気さと愛おしさと、若干の黒さを交えた微笑を見せて、再び兄の体温を感じたまま眠りに着く為、ゆっくりと瞳を閉じていく。



その昔。
戦いや遠い旅に出る恋人に、一つのピアスを互いの耳に付けると、どんなに離れていようとも必ず再会できるという逸話がある――。

だが、この双子にはそんな迷信めいた話すら介入する隙も与えないほど、深く繋がりあっている。


過ぎ去った絶望は、何物にも変えられないほどの愛情へと姿を変えて彼らに贈られていく。
それはまるで、大切な宝物の様な、甘美な時間・・・。






当時のサイトのフリー小説でした。 今も特に制限は設けていませんので、物好きな方はご自由にお持ち帰りください(裏ページを取り扱っているサイトさんに限ります)


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