Trick may Treat!!-a person to peachbrother-



Trick may Treat!!
†a person to peachbrother†


今日は楽しいハロウィン・・・から二日ほど経過した、何の変哲も無い平和な夜だった。
御霊や神の存在を重んじる雪の季節に大分部分を占められる北方の国のアスガルドでは、ハロウィンはただ子供がお菓子をねだる他愛ないお祭りだけに収まらず、冬を乗り切ろうとする住民達の心を奮い立たせるための意味合いも兼ねて、大々的に行われる冬の初めのお祭りだった。
お菓子をねだるのは子供だけではなく大人も混じっての大仮装パレードをまるでデモ行進隊の様にアスガルドの町中を闊歩した後は、ワルハラ宮を一般開放しての立食パーティー、勿論それに全部入りきらない人たちも居るので、それは周辺の名の知れた貴族の館も解放して執り行う宴会。
厳しい白い自然の季節を乗り切る前の楽しそうな人々の笑顔のその裏には、死ぬほどにあちらこちら奔走する人間達の尊い労働があるというのは世の常で、10月31日のワルハラ宮勤めの人物達はまさしく後者の方に当てはまり、正に天上と地の国の差のごとくだと、口を揃えて零していたのはワルハラ宮内の兵士達の弁である。

そんなこんなのハロウィンナイトも過ぎ去って、それから二日後の何のアニバーサリーも無い今宵、一気に波の引いた海の様な穏やかさで、通常に戻った淡々とした日常が終わって身体を休める為に部屋に戻る者もあれば、夜勤の為に慌しく用意を整えて部屋を出る者はあるものの、穏やかで静かな時間が流れる宵の口だった。


「・・・・・//////(顔真っ赤)」
「・・・・・vVvV(どこか恍惚に満ちた表情)」
ほんのりとどこか薄暗い部屋の内部は、まるで濃縮されたどぎついピンクの毒ガスが流れ込んでいるかと思うくらいにねっとりとした空気が充満していた。
その中で対峙しているのは二人の人物で、勤務中のときは周りの人間が同じ格好をしていればどちらがどっち??と見紛う程に区別のつかない双子の兄弟なのだが、今もしこの場に第三者が居るのならば間違いなく区別は付くであろう。
片や、ベッドの上に腰を下ろして足を組んで、うっとりとした・・・・それで居て目の前に居る獲物を嬲るようないやらしい視線でもって見つめる・・恐らく毒ガスまがいの空気の発信源である・・・兄のバド。
片やいつもはアップにしていることの多いペールグリーンの髪を梳き降ろして、その頭にこの国の女性が好んで身につける、ヘッドドレス風カチューシャの耳宛てからにょきっと兎さ耳を生やし、しなやかな肢体には前ファスナーつきの温かそうなファーのあしらった下胸部までのノースリーブに、両腕にも同様素材のファー付きの肘までのアームウォーマー、一方で下はこれまた太股までの、後ろには丸いフサフサした毛並みのキーホルダー付きショートパンツ(ファー付き)、そのサイドのベルトに引っ張られるようにして持ち上げられるレッグウォーマーはキーホルダーと同様の素材の物で、それらを身に纏って向かいの人物の視線をそのままそっくり敏感に感じ取って真っ赤にして恥かしそうに俯く弟のシド。
言わずもがなだがコンセプトはウサギな訳なのだが、そのファーと布地の色合いのせいか何処と無く桃っぽい感じもするのも否めない。
「・・・・・・・・・////。」
へそ出し、生太股出し、露出多し・・とまではいかないがチラリズム満載の立ち姿のシドと対照的に、バドはいつも通り部屋着なのだが、心なしかにょきにょきと頭から角・・・じゃなくてネコ耳・・・否、大虎の耳としっぽが生えて揺らめいているのは恐らく幻覚ではないだろう。


そもそもの発端は、先に述べたハロウィンナイトでの事。
アスガルドは先の聖戦の辛酸を舐めた教訓として、文化的行事に力を入れる平和的余裕も出て来たのだが、それはここ最近のこと。
貧しい子供時代を送っていたバドは、狩に明け暮れる日々でそういう祭り事を試みる余裕の無い日々を送っており、こうした賑やかなパーティーはオーディーンと聖巫女の加護を受けて初めて目にしたのだった。
丁度彼の所属する部署は、町民達のパレードの警備係に当たっており、万が一の事に備えてしんがりを努めていたのだが、たまたま母親に手を引かれて歩いていた幼い女の子が施していた仮装に目が行ったのだ。
その場に居なかった弟にとっては不幸でしかなかったのだが、すっかりとその可愛らしいウサギ姿に、これをもう少しカスタマイズして・・・・と、片手間で任務を遂行する事無く、器用にも妄想と仕事を両立させて即決した所要時間は僅か数十分にも満たなかった。
決断を実行に移すのが早く、バドにとっては幸いだがシドにとっては(以下略)、男所帯の暮らしで家事一般には自信があり、翌日はパーティーの後片付けで半休を取れることとなっていたので、早速彼は馴染み深い闇市の闇オヤジ(違)の所にて安く素材を購入し、1,5日で着手・完成。
愛に不可能は無いのだ!と、根は純粋なほどにロマンチストなこの兄貴は声高に主張しそうな勢いだが、つい先ほどまで出来たばかりの衣装を手にしてシドに言い寄ったは良いのだが、全く以って当然だが猛反対された。
危うし!双子の愛もここまでか?しかし現に弟は兄手ずからの衣装を身に纏って目の前に現れている。
その理由は一言で言えばスキルでの勝利。いつも兄が弟の子猫のウルウル瞳での上目使いに陥落されるように、弟もまた兄の低音ヴォイスで囁きかけられるお願いに弱い。
惚れた弱みと言っていいのか、それとも単なるバカップルで片付けるべきかはこの際置いておいて、兎に角今回は兄のスキルが見事に発動、勝利、そして今に至るわけである。


「かわいいよ・・・シド・・・・。」
きし・・・と、軽くスプリングを軋ませて立ち上がって、そっと近づいてきたバドに、シドはまだぎゅうっと恥かしさの為に潤んだ瞳を瞑ったまま俯いていたが、バドはそんな恥らう弟の身体をしっかりと絡め取って捕獲すると、歩く間も無くそこにある幅広いWベッドに掻っ攫って行き、二人分の軋みを知らせる音を立てるその上にその身を押し倒した。
「っ、や・・・っ」
かしっと、ファーに覆われる両手首をバドの手で戒められ、圧し掛かる兄の身体と重みとまずは視線だけで犯そうとするように舐るような瞳に晒されて、シドは小さく戦慄く唇からかすれた声を上げた。
恋人になってから幾度と無く重ね合わせてきた身体であっても、この姿はある意味で全裸よりも恥かしく、それを余す事無く視界に映し出されている事実が、シドの表立つ羞恥心に覆い隠されている、夜毎兄によって慣らされている馴染み深い欲情をじわじわと引き出されていく。
「あっ・・・!」
しばしその視線の中でまるで金縛りの様に魅入られて動けずに、それでもとろとろと湧き出る泉の様な欲情にまずは浸らせるだけと言うように、バドは服の上から胸の突起を探り当てるようにして口唇を這わせていく。
「やぁっ・・ぁっ、ん」
すべすべとした、服の下に隠された肌に舌を這わせられていく内に、手探るような舌の動きで硬くなり始める突起を見つけられ、その舌先で押しつぶされては絡められて刺激を加えられ始める。
「んっ、ぁっんっ」
シドの耳を覆ううさぎの飾り耳が頭を捩るごとにその軽いながらも若干に大きい質量でもって存在を誇示して、それが更なる羞恥に身体を追い込んで行く。
「やっ、あぁっ・・んっ」
既に胸の部分の布地がバドの口腔と舌の熱さで蕩かされるかと思う程に透き通って、そこからでも判るほどにシドの朱色に染まり始める突起は芯を通して卑猥に濡れて立ちそぼっていく。
それでもバドはまだ足りないと言わんばかりに、濡れるその実を服の上から摘み上げて指腹で撫で上げ、指と指の間に挟み上げては押しつぶす行為を繰り返しながら、反対側の突起も同じようにして蕩かせんばかりに舐め上げ始めていた。
「はぁ・・っ、んぁ、ぁ・・っ」
いつもと違う、執拗に焦らして欲情を促進させる愛撫。
いつの間にか片手が腰に回されて、膝立ちになるように引き起こされて、上着のファスナーを下ろされて肌蹴させられた素肌と突起に直に舌と指が這わせられ触れられて、噛んだり吸ったりしゃぶられはしてはいるものの、バドはシドの最も弄って欲しい部分に触れようとはしない。
「あっ、ぁ・・あ・・」
それどころか、腰に回したその大きな筋張る手で、うさぎのしっぽに見立てた薄桃色のまんまるぼんぼりのキーホルダーを手にとって、体内に通ずる、まだ脱がされてもいないソコをふさふさとした毛で、くすぐるようにして円を描きながら軽く引くようにして攻め立て始める。
「や・・ぁ・・ぁっ、ん」
触れるか触れないか程度のやんわりとした後ろへの刺激と、すっかりと濡れ立って充血する胸の突起へ直に送り込まれる指と舌との使いに、服の下で置き去りにされているシドの欲望は充分すぎるほど煽られて張り詰めている。
「あっ、あ・・・っ」
切なげに途切れるその声に、バドはシドがどうして欲しいのか判ってはいるが、いつもと違う最高に可愛く兄心をがっちりと掴んで放さないその姿にすぐに解放するのは勿体無いと言わんばかりに、どれだけ自分が齎す拙いそれに焦れて、その艶めく薄紅の口唇から可愛く啼いている声で強請るのかを待っていた。
だが、興奮を煽られているのはシドだけじゃなくて自分も同じであり、シドがおねだりをする前に堪えきれなくなって押し倒していただいてしまいたい衝動も強まっていく。
「あっ・・・、に、さんっ・・」
「・・何、だ?」
胸部を中心にして、首筋やデコルテ、更にはむき出される肩や二の腕に唇を這わせてキスマークを攻め散らしながら、また胸部へと戻らせた口唇と歯と舌で、充分に硬く尖っている両方の突起を交互に嬲りながら、後ろを弄る手を両方に切り替えて、相変わらずキーホルダーで円を描く様に責め立てるのは変えずに、もう片方の指でもってショートパンツの割れ目の部分を上から下になぞりあげながら、下の手と合流しながらぐいっと軽く突き込む様にして触れてゆく。
「あっ、ああ・・・っ」
まだ触れられている段階でもって、敏感になっている身体には今までの中で一番強い感覚に、シドはバドの腕の中で身体をびくんと跳ね上がらせながら、本能的に瞳の中に溜まる涙をぽろぽろと零し始めていた。
「あっ、・・も・・・、ぉ、ねが、い・・っ」
今にも消え入りそうな声だったが、はぁはぁと荒ぐ吐息と共にちらりと口唇よりも朱い濡れた舌先を覗かせながら紡ぐ“おねがい”に、欲情に煽られていたバドの下半身は、更にずくんと重くなる。
「おれ、も・・・、おねがい?」
今まで首に回されていたシドの手を取って、自らもまた弟の声と嬌態に煽られたんだと言う証にそっと触れさせながら、上目遣いで見上げながら囁くように強請られる低いその声に、シドの紅く染まる頬はまた更にかぁあ・・っと上昇していく。
だが、散々に焦らされてもう我慢が出来そうにないのは判っていたので、小さくだが、はにかむような表情でこくんと頷いたシドを見届けたバドは、今までピッタリとくっ付いていた身体を動かして、自分が下に横たわると、その上にシドの下肢を持ってくるようにして体勢を替えた。
「んんっ・・んぁっんっ」
散々に焦らしていたぶっていた下肢を覆うショートパンツを脱がせるものの、フサフサの毛をしたレッグウォーマーはそのままで、その両脚を微かに大きく広げさせ、ようやく外気に晒されてびくびくと震えて勃ち上がる熱いシドの性をぱくりと口に含むと、既に僅かに開いた脚の間に顔を埋めていたシドの身体はまた大きく痙攣するように跳ねた。
「んっぐ・・んぅっ」
外れる気配の無いヘッドドレス調兎さ耳を付けたままで、くちゅ、ちゅぱ、ちゅく・・・と音を立てながら奉仕するシドに煽られて、その欲望は更に質量と熱を増して弟の口腔を犯していく。
「んん、ぐ・・んぅん・・」
だがそれでも吐き出そうとしないで喉の奥を切っ先で抉られつつも、懸命に欲望を高めていくシドに、お返しと言わんばかりに、バドもまた舌先で先端を舐め上げて口腔に茎を迎え入れながら、ぐ・・・っと形の良い双丘を指で持ち上げて広げていく。
「んぅ・・っ」
ソコは先ほど散々にやわやわと弄られていたせいか、バドがちろりと視線を向けただけで、早く来て?と訴えるように、誘うような意志を持つようにひくひくと収縮を繰りかえしている。
「んぁっ、ぁ・・っ」
縦指を這わせ、ひくつくソコをなぞり上げるように擦ると、口内にいるシドが更に昂ぶると同時、その身もガクガクと震えだす。
「ん・・ん、く・・・っ」
なぞるだけじゃ足りなくて、早く突き入れて欲しいと強請るように腰ををくねらせるシドに、バドは流石にこれ以上は焦らせないなと内心苦笑しつつ、柔らかく閉ざされた肉壁の中にある自分だけが通ずることの出来る道すじを開かせていく為にその指を銜え込ませて行く。
「ぁ・・んぅ、んく・・ぅんっ」
内部は既にじっとりと熱く蕩けそうで、バドはシドの舌全体と手で育て上げられる自身をこの中に突き入れて揺さ振りたい気持ちに駆られながらいつもより性急な動きで、突き込んだ指でシドの最も弱い部分を探り当てて擦りあげては引き抜いて、指を増やしてはまた注挿するを繰り返す。
「んぁっ、んくぅ・・んんぅっ」
前も後ろも限界にまで高められていたぶられて呻いているシドの口内ですら自らの熱で支配して満たす快楽を求め、犯入している自身を更に深く捻じ込むようにして腰を上下にグラインドさせるようにして動かしていく。
「ん・・く、ぅっ・・ぁッあああっ!」
途端シドは堪えきれずに兄の口内に勢い良く欲望を吐き出すと同時、バドもまたシドの口内へその熱を放出させていく。
「シド・・・。」
生温くそれほど美味とは言えない精を吐き出さないように懸命に飲み込もうとしていたが、それでも大量の白濁は収まりきらずに唇の端を伝って落ちていくうつぶせたままで軽く咽ているシドに圧し掛かるようにして覆いかぶさったバドは、その背中をあやすように撫でつつ耳元で弟の名前を呼びながら、下肢だけ脱がされた兎弟の腰を掴んで突き出させて、足を広げさせて最高の気持ちよさを与える中へと入り込んでいった。
「あぁ・・あぁあっ・・にいさ・・んっ!」
くすぶるような愛撫に焦れて、いつもよりも敏感になったソコはずぶずぶに柔らかくて熱い肉壁でもって、いつもより熱い兄を一気に根元まで迎え入れ咥え込んで離さずに、達したばかりの身体の中心にはまたゆるゆると熱が集束していく。
「あっ、く、ぁ・・ああっ」
さながら本物のうさぎの様に可愛くて淫らで、そそられる体位で自分を受け入れているシドの腰をがっしりと固定して、バドは激しい程のピストンを開始していく。
「ああぁ・・・っ、ぁんっ!あ、あぁ・・・っ」
ギシギシ、ギッ、ギシ・・・と、まるで食卓の様な寝台の軋みに合わせて歓喜にのたうつ泣き声を上げる、兄に生け捕りにされた弟。
「シド・・・。」
うさぎの如く真っ赤になった瞳からはまた涙が零れ出し、アームウォーマーで覆われた腕を前方に投げ出して、両手でシーツを掴みながら、啼き続けるシドの兎さ耳で覆い隠された耳元に口唇を寄せて囁きかける。
「んっ、ああっ・・あっ、にいさ・・ぁっ」
奥の奥に捻じ込むようにして腰を押し進められる毎に体内を激しくかき回されるごとに蹂躙していく兄自身を受け入れて、それが齎す快楽を全身で感じながら、シドは顔を横向かせて、バドのすぐそこにある唇に触れようとして呼びかけながら、舌先を差し出していた。
「んっ、ふっ・・ぅ、んぁ、んっ」
バドもそれに答えるようにして舌を出して、結合している下半身と同じように上も繋がろうとして、激しく舌先を絡めだしていく。
「うぁっ」
熱い口付けをゆっくりと解いて、不意にバドの手がシドの曝け出されている両腕に付け根に添えられて、ぐいっとその身体を持ち上げると、今まで突き上げていた角度が変わるのと同時、自らの重みで更に奥深くまでにバドを呑み込んでいく。
「ああぁっ」
大きく両足を広げるようにして持ち上げられバドの膝の上に乗せられた体位へとなり、最奥の更に奥にある悦部がバドの先端に抉られるように擦られていく、そのあまりの悦楽に仰け反ったシドの首筋にぬめりと舌が這わせられる。
「あぁっんっ・・やあっ、あっ、あぁっ」
バドは最後の仕上げと言わんばかりに、大きく広げられた毛足の脚は立て膝に広げた己のその場所に引っ掛けるようにして乗せて、閉じられないばかりか地に着かないため逃げられないようにした上で、シドの腰を下へ下へと落すようにして掴んで押さえつけてはゆらゆらと揺すぶり、更には突き上げていく速度を段々と早めて行く。
「あ、ぅ・・・ん、ぁあっ、だめ・・っ、に・・さ・・ぁっ」
その濃度を増した、快楽の蜜の泉に深く溺れていく弟の見えない所でうっすらと笑みを模りながら、バドは腰の拘束をしていた両手を解いて、蕩かすように嬲っていた未だに艶めいている両胸の突起に指を宛がって軽く撫で回し、硬く充血して上向くそこを強く摘み上げては解きほぐすように蠢かせていく。
「やぁっ、あっ・あぅぅっ・・ぁあんっ」
弱々しく頭を振る兎弟を、バドは無理矢理に横向かせてその顎を捉えて再度唇を重ね合わせながら、突起に当てた片手はそのままで、もう一方の手はこじ開けられている両脚の中心で包み隠されないままでびくびくと限界を訴えている熱い弟自身に滑り落ちていき、ぐっと根元を掴みあげて激しく上下に扱いていく。
「やぁあっぁんっ、も、だめぇ・・っ、あぁぁあっ!」
羞恥に顔を真っ紅に染めながら、卑猥な姿で大きく背中を仰け反らせて感じる場所全てをこれ以上にない程弄られたうさぎは、びくびくと震える性から精を迸らせ、捕食者である兄は捕らえた弟を美味しく頂いたとして、熱く狭く蠕動する内部に欲情を一滴残らずに注ぎ込む。
白く霞んで行く思考の中で、シドはバドの『Thank you for a wonderful meal』と言う言葉を聞いていたが、それはどういう意味なのかを思い考える前に、ぷっつりとそこで意識は途絶えたのだった。




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「~~~~v♪」
その翌日、これまた何の変哲もない平和なワルハラ宮に、全くと言って良いほど正反対の表情の双子があった。

「あれ?シド、どうした??目が真っ赤でまるでうさ・・・。」
「・・・・・・・(ゴゴゴゴゴォォ)」
「・・・・(滝汗)すまん、何でもない・・・・;」
ただ何の気なしで声をかけたのだが、その言葉を区切るようにして思い切り不穏な小宇宙を感じ取った隊長は、長年の付き合いからか、凍らされる前に余計な事を言うまいと口をつぐむ。
「・・・・来年からハロウィンの祭りは改めるべきだ・・・・。」
凄みを含む、兄よりも低い声で呻いた親友兼副官の言葉に、傍らに立つジークフリートは冷や汗を流しながらも首を傾げる一方で・・・。

「いやぁ、ハロウィンはいい行事だよなぁ~♪」
「・・・・・・・;あ、あぁ・・・、まぁ、忙しいだけだとあの日は思っていたが、思い返せば雰囲気的には楽しめた、かな・・・?;」
何時になくハイテンションな今にもスキップしだしそうな悪友の姿に、隣で歩を進めるミーメは少し引き気味になりながらも律儀に相槌を打つ。
「て、言うかあれだよ。来年から全員仮装パーティーにすりゃいいんだよなv」
「・・・・・;;(滝汗)」
何か・・・、新種の病にでも侵されているのかと勘繰るほどに、頭の周りに天使の鳴らす祝福の鐘が鳴り響いているような幻聴すら聴こえて来る程悦に入っているバドに、既にミーメは少しどころかかなり後ずさりながら、引き攣った生温かい視線でその様を見守っていた。





とりあえず、初冬の頃の娯楽の一つである今年のハロウィンの二日後にひっそりと行われた後夜祭はバドの一人勝ちで幕を下ろしていった。
ちなみにだが、来年はネコ耳かなぁ~?やっぱり白かなぁ?などと既に明後日の方に浮かれているバドに対し、シドは来年はハロウィン終了後、ひっそりと神隠れしようそうしよう・・・と密かに決意を固め始めているのだが、それはまた来年になるまで判らない事なのでこの辺りで切り上げる事とする――。








戻ります。