夫 婦 勤 労 記 念 の 日
ダブルアニバーサリー夜の双子の場合
「っ・・・シドっ、そこ・・もっと強く・・っ!!」
「(くすv)ここですか?・・・」
ぐいっと強くうつぶせたままの兄の背中に圧し掛かり体重を掛けると、珍しく苦痛にうめいた声をあげるバドに、最初の恥じらいは当に掻き消えており、
いまや楽しげに兄の敏感に感じる部分を渾身の力を込めてぎゅうぎゅうと押し込んでいく。
「いたい・・っ!痛いってっ!強すぎだ・・・っ!もー少し・・!!」
普段は可愛らしい愛妻的ポジションでも、れっきとした同性である。
いくらなんでも力加減を誤ったシドは慌てて少しだけ緩めた手の押し具合で、うつ伏せに横たわった兄の背中から腰にかけて凝り固まった部分を解していくと、ふぅ・・・と一息ついたような溜息が耳に届く。
「サンキュ、だいぶ楽になったよ・・。」
そして仰向けにくるりと身体を変えて、寝転がっていた身体を少しだけ起こしベッドサイドに立つシドの首に手を回してちゅっと軽く触れるだけの口付けを施す。
「いいえ・・・、私だってこれくらいは・・・。」
そう言ってしまってから改めて今自分が身にまとっている姿に恥じらいを思い出したのだろう。
顔を赤らめて俯いたシドを見て、先ほどまで苦悶に呻いていた表情は何処へやら・・・にやりと笑みを浮かべたラフな部屋着姿のバドの手が不意にシドの腰に伸びてそのままぐっと引き寄せられる。
「あ・・っ」
「じゃあ、お前の献身的な奉仕で楽になったついでに・・・。」
いや、むしろここからがメインだろうと突っ込む余裕も無いまま、オオカミに変化していく鬼畜な旦那を前に更に頬を高潮させていく愛妻弟の姿は、黒のサンストレッチ素材の、首元までかっちり止められた同じゴシック色素の黒いボタンが着いたミディアム丈のワンピースで、ウエストの辺りには決して甘すぎない程度の清楚な白いフリルが着いたエプロンが巻かれている。
よくよく見るとペールグリーンの柔らかな髪の毛を持つ頭部にはこれまたシンプルな白いヘッドドレスが装着されていて、足元は膝までのリボンの着いた黒いハイソックスと光沢のある黒いあまりゴテゴテしくない、この系統の姿なら無難に似合うだろうという靴を履かされていた。
そう・・・それは何処からどう見ても立派な(?)メイドさん。
そんな奥様メイドのシドはつい先ほどまで兄を下に組み敷いて、所謂マッサージなるものを日頃溜まった疲れを癒してもらう為に旦那なバドに施していた訳だが、何でこんな格好で・・・と首を傾げる人たちが多数であろう。
それはアニバーサリー好きな兄の企みごとで、今日11月22日と明日の11月23日の日付にあやかって・・・とまで言えば、察しの良い人にはもう判るであろう。
先月末のハロウィンであれだけ好き勝手に弟を言いくるめて美味しく頂いた男なのだから、これを見過ごす手立てはない・・・そういうことだ。
ただこの日は変態行為を推奨する日ではないというのはいくら純粋培養で育った箱入り息子のシドにも判っているので、前回であれだけ散々啼かされたのだから・・・と、やはり渋りはしたのだが、そこはもう関白主義と言うか・・・、早い話がバドにベタ惚れのため、どんなに嫌がっていても結局は兄のたってのお願い事には弱いのだ。
ちなみに今回は低音ボイスでのお願いではなく、普通にマッサージするならどうせならこれ来て欲しいなぁvv(にっこり)と、確信犯的以外の何者でもないが、結構ストレートに笑顔で頼まれたという過程はさて置いて・・。
「あ・・・。」
そのまま力強く、仰向けにねっころがった兄の上に跨るようにして引き倒されながら唇を重ね合わせていく最中、服は脱がさずに器用にスカート裾を捲り上げていき下着を掴んでそっと下ろされていく。
「ふ・・ぁ・・っ」
外気に晒されていく自身にぴくんと身体を震わせるシドを見越して、ゆるゆると根元から手を這わせて扱いていきながら、口内を堪能するために歯列をなぞりあげながらゆっくりと舌先を侵入させていく。
「ん、ぁ・・にいさ・・・っ」
くちゅ、ちゅく・・と湿った音をわざとに立てて激しく絡ませてはそっと歯を立てて吸い上げるを繰り返しつつもついと唇を離して煌銀糸が二人を繋いで消えて行く最中にシドはもう瞳を潤ませながら、次に耳たぶに辿り着き丹念にそこを舐めあげている兄を呼ぶ。
「ふぁ・・っ」
「どうせならさぁ・・・。」
耳たぶを舐め尽くし、柔らかい軟骨を唾液が滴るほどに舌を這わせながらも耳穴にまで舌先を差し入れてペチャぺチャと音をたてて攻め立てている弟の体がびくんと震えるのを見越して、そのまま唇を動かして取って置きの掠れた甘く低いテルーヴォイスで何度目かの“お願い事”を囁きかける。
「お兄様・・・とか呼んで欲しいかも・・・。」
「え・・っ、あっ・・・!」
折角こんな格好してくれてるんだし・・・と更に続けられながら、かぷぅ・・・と再び耳元に這わせられた唇で甘噛まれると同時、自身を弄繰り回している大きな手が本格的に根元から先端に掛けて絡められ始めて上下に・・・、だがまだ焦らされる愛撫にシドは小さく掠れた切ない声をあげ続ける。
「ね・・・?だめ?」
こんな状態でこんな熱っぽい声で囁かれて、滅多に見ることの出来ない・・・それが例え確信犯的演技だとしても・・・兄の男の上目遣いと相乗して、艶を帯びた息を吐き続けながらもシドは堪えきれないようにこくんと頷いた。
「はい・・っ、ぁ・・・、にい、さまっ・・・」
「イイ子だ・・・・。」
そんな倒錯した感情に呼応したようにまたその手の中で硬くなったシド自身からまだ駄目だよ?と言わんばかりに手を外して、後ろのほうに伸びて行き既に微かな収縮を繰り返すソコに指を這わせて入り口を突き撫で回しながらつぷんと挿入していくバドの愛撫に導かれるように、シドの手がバドの服を肌蹴て露になった白いながらも逞しい肌に舌先で触れながら、兄の猛り始めたその部分に頭を寄せていく。
「うぅ・・っ、く・・・シ、ド・・・。」
そしてその白い手が直に自身を取り出して根元に両手を添え、誰よりも清らかでいて自分だけが知る淫らな何時もと違う装いの弟の姿に興奮を煽られて、普段よりも熱く硬くなる兄の欲望を、シドは愛おし気にちゅっと先端に口付けてかぷんと口に含むと下から上に舌を這わせていきながら、片手は肉竿を、もう片方は膨らみ始める二つの玉の中心辺りに手を添えて揉みしだいていく。
「きもち・・いいですか・・・・?ん、ぁ・・、ぉ・・にいさ・・ま・・・っ!」
本職のメイドだってここまでこんな色香は出せないであろう表情と上目遣いとその呼び名・・それでもやはり抵抗があるのか消え入りそうな声だったが・・・・に、軽く半身だけを起こしたバドの視界に余す所なく映し出されて思わず突きこんだ指の動きを早くしていくと、めくり挙げたスカートの裾が微かに奏でる衣擦れの音ですら、どうしようもないほどに自分の中の雄と劣情を煽っていく。
「あぁ・・っ、気持ち良い、よ・・・んっ」
「ぁあっ・・!?」
しなやかな雌の猫科の動物の様に腰を突き出させている弟の中に出し入れしていた指を一気に引き抜いて、傍らにあらかじめ用意していた比較的細身の玩具を取り出して、性急であったがあまり無理しない程度に、押し広げている途中のシドの内部にぐぐっと挿入させていく。
「やぁ・・あんんっ・・んく・・っ」
突然前触れもなく入れられていく無機質的・・だが柔らかい素材の違和感に驚いて一瞬顔を上げたシドの頭を白ヘッドドレスごと優しく掴んで、再び自身を銜えこませる為に軽くだが有無を言わさずに押付ける。
「んん・・んっ・・ぅぁ・・っんっ」
ゆっくり、ゆっくりと緩やかに半回転させながら、徐々に押し広げさせられている道すじに戦慄きながらも、ぎゅぅっと瞳を閉じて顔を赤らめながらも、口内でどくどくと脈打って更に熱くなって硬くなっていく兄から逃れられず、それならばと解放させる為に、両の手でそり立ち始めている肉茎を扱きながら、先端に唇を這わせて舌を絡めて強く吸い上げていく。
「っ、ぁ・・シド・・シ・・ドっ・・・!」
思わずその快楽に耐えられないようにその口内で更なる気持ちよさをえようとして腰で穿っていたのも連動して、バドはシドの口の中に白い欲望を全て吐き散らしていく。
「あ・・んっ・・ぁあ・・・・っ!」
そして達した疲労に軽く息を吐きながらズルリと欲望をその可憐な口の中から抜き取ると、後ろからの悦楽を与えんが為にぶるぶると震動していく玩具を銜えたままに身悶えるシドをやんわりと柔らかいベッドの上に膝立ちにさせる。
「ほら・・・?折角の服を汚しちゃ駄目だろう・・・・?」
これ以上無いほど優しい声音で囁きかけながらも、身体を支えきれずに崩れ落ちそうになるシドの身体をそっと支えつつも力ない両手を捕らえて無理にその裾を持ち上げさせる。
「やぁ・・だめぇ・・っ、み、ないで・・・。」
本能的に溜まる涙のせいで真っ赤に染まった瞳を下に逸らして弱々しく頭を降るが、無理矢理に裾を持たされる自分の手ごと掴まれてしまい、羞恥が齎していく快感から逃れられずに段々とその身体はそれに溺れ始めていく。
膝立ちにさせた際、少しばかり開かせた脚の間で突き刺さって小刻みに玩具が動くたび、呼応するようにして、熱くそそり立つシドの雄。
その先端からは、直接に最奥のスポットと前立腺をうねうねと動き回って刺激されるごとにびくびくと、透明な先走りの蜜が滲み出始めていた。
「あぁっ、あんっ・・・にいさま・・っ!」
両手を放さないように捕らえられて、こんな間近で見られている。
それも兄は何も手を下さないままで、人工的な機械的な道具によって乱されている姿を。
「やぁ・・ぁああ・・・っ」
バドのねっとりとした視線が、まずはシドの嬌声を上げる唇と真っ赤に染まったオレンジ色の瞳に送られて、その次にはまだかっちりとしめられている艶めかしい線を描く首筋に、更にその下のせわしなく上下する胸元に注がれる。
「あっ・・あぁあ・・んっ、バド・・・にいさ・・ぁ・・・っ!」
「ん?」
相変わらず緩む事のない両手の拘束と、注がれる視線ですら肝心の場所に向けられないじれったさに、シドは思わず我を忘れて兄を呼んだが、それがどんなに浅ましい願い事かにはっと気づき、潤ませた瞳をまた俯かせて、兄の欲望に濡れた、艶やかな化粧を施された半開きになった唇からためらいがちに赤い舌先を覗かせては噤む弟に、バドは何度目かの嗜虐的な笑みを浮かべる。
「何?イク所を俺に見て欲しい訳??」
「っ・・・!!」
兄は相変わらずその手を緩めずに一切滾っている欲望に触れる気配は無い。それならばせめて視線だけでも・・・
全くもって図星を突かれたシドはきゅうッと薄紅の唇を噛み締めるが、体内で震動を繰り返す速度はもうこの焦れきった身体には物足りないものになっており、シドは観念したようにこくんと弱々しく頭を肯定するため縦に振る。
「そうか・・じゃあ・・・・・。」
望みどおりイってみろよ・・・・?
ついと耳元に寄せられて囁きかけられたかと思うと、ふと視線が待ちわびた部分に静かに降りていく。
「あ・・はぁ・・・やあぁあっっ!!」
ある意味で自慰を見せてそのまま達くのと同じ位の恥辱に、無意識的にシドは頭を振るが、甘く疼く痺れていく本能が齎す快楽はもはや抗えるものではなく、ねとりとした視線が本格的に注がれていくと同時、声高く悲鳴をあげながらシドは達して行った。
「はぁ・・・ぁ、ふぁ・・・っ」
今度こそ支えがあってもがっくりとそのまま崩れ落ちた弟の身体の内部でまだ動き回る玩具を、バドはそっと抜き去るとそのままシドの体をそっと押し倒した。
「あ・・っ、あ・・っ!」
欲望を吐き散らせて、白く汚れたシド自身を口に含んでいきながら、既にもう充分に広がりつつあるソコに再び指を二本ほど突き入れて今度は入り口近くの蠢く肉壁に触れていく。
「あぁ・・んっ、あぁ・・・っ!」
一定部分の刺激を命令しなければ与えられない無機質な玩具と違い、長く筋張る指でひくひくと熱いシドの持つ体内にある悦部を余すと来なく触れ続けながらゆるゆるとかき回されていくのと同時進行で、白濁を舐め取っていく兄の舌使いに、またもや押し寄せ始める快楽の波。
「ぉ・・にいさま・・・っ、ぁ、もっと・・・。」
「ん・・・・?もっと・・・何?」
相変わらず優勢的な微笑を絶やさずに、自身から口を離して圧し掛かるようにして目線を合わせに来たバドの肩を、シドは両手で掴んで最初と同じように組み敷く形に持っていく。
「っ;!」
ヤバイ;ちょっと調子に乗りすぎたかな・・・;
少しばかり顔を青ざめさせた旦那兄に気づき、くすっとまた可愛らしく笑みを浮かべたシドは、充分に開ききったその部分を同じようにしてそそり立つ兄自身の先端に宛がうように圧し掛かる。
「もう一度・・・・気持ちよく、して下さい・・・v」
紙一枚挟むすれすれの距離にまで顔を近づけて、軽いお返しと言わんばかりに口付けをさせないままで、艶めかしく芳しい吐息を込めての少し大胆なおねだり。
・・・果たしてこの声と表情と台詞に陥落しないで抗える漢が居るのだろうか・・・居るのならば見て見たい・・・とまだ少し余裕のある意識の片隅でバドは思いつつも、返事をするのすら勿体無いとばかりに捲り上げたまま掴んでいたワンピースの裾をそのままに、弟の腰をしっかりと掴んで下ろして行きながら、己の欲望を早く銜え込ませる為に少しばかり腰を浮かせて結合を開始していく。
「あ、っ、あああぁ・・・っ!」
想像していたよりも早く突き込まれて行くその衝撃に身体を仰け反らせて、無意識に腰が引ける弟を逃がさないために更に強く押さえつけて、息を乱したままの彼を労らないかのようにバドは我を忘れて強く強く腰を突き上げていく。
「んっ、あっ・・ぁああっ!バ、ド・・にいさ、まぁ・・っ!」
「シドっ・・、俺の・・可愛い・・・シド・・・っ」
がくんがくんと息をつけないままで揺す振られているシドの最奥のスポットに、先端が当たり締め付けられていくその度に、バドの背筋を駆け抜けていく電流の様な快感。
腰に添えていたその手が無意識に、今の今までかっちりと留められていた首もとのボタンに伸ばされて、引きちぎらんばかりの強さで外していくと、清廉な黒の中にひたすら隠されていた、卑猥に染まっている白い肌が現れていく。
「やぁ・・ぁあっ!」
一度ピストンを止めて、身体を起こしあげ、騎乗位から対面座位に体位を変える事によって、今まで突き上げられていた部分と別の悦部をまた新たに突かれて行く度にシドの誘惑するように仰け反って、満たされていく快楽に嚥下する白い喉元に噛み付く様に唇を落としだす。
「あぁっ、あ・・っ、あん・・っ!いぃ・・っあ・・っ!」
揺さ振られて突き上げていく速度はそのままで、胸元にまでせわしなく剥かれた肌の上で待ちわびたように充血して硬く勃ち上がった淫らに色づくその小さな実にもバドは思う様むしゃぶりついて、舌先で転がして吸いながら強く歯を立てていく。
「はぁ・・ぅああ・・ぁあ・・っ!!」
そしてバドは、更に深く自身を呑みこめるのと同時シドの欲望が丸見える様にする為に、繋がったままでシドの身体を押し倒し、大きく足を広げさせて持ち上げながら、今までにない激しさでシドの最奥を突き刺していく。
「や・・だめっ、!・・も・・・・っ、ぁ、あああぁっ!」
乱された髪の毛には既にヘッドドレスは既にベッド脇に落ちており、乱されたメイド服をそれでも身につけたままびくんびくんと大きく痙攣させて達していくシドの内部に、バドはこれ以上無い恍惚感と征服欲の残骸を弟の内部に放って行ったのだった。
すでに日付も変わって本日は11月23日の勤労感謝の日。
世の旦那様やお父様・・・全ての働く人は愛すべき家族に感謝されて、また次の日からもお仕事を頑張れる事だろう。
「(むー・・・。)私も働いているんですけどもねぇ・・・。」
「じゃあ、今日はお前の望むプレイにしてみるか?」
「んな・・・っ////」
まったりとした情事後の時間、どろどろに乱されたメイド服は明日の朝一でこっそりと洗濯をして、奥深くに封印しようと密かに決意する弟の身体をぎゅっと抱きしめながら、バドは悪戯っ子の笑顔で提案を出す。
「・・・・(でもまぁ・・・・)」
んー・・っと、横から口付けを強請るように顔を寄せてくるバドに答えながら、その唇に軽くちゅっとキスをしてまた優しく抱きとめられる幸福に酔いながら、シドはぼんやりと考える。
「(キモチよかったし・・・・・、たまになら・・・良いかもしれない・・・。)」
そんな事を考えながらほんのりと顔を赤らめながら、寝付く為に兄の抱き枕にされながら密かに思うシドに周りの人間がそこに居るならば・・・・・
『このバカップルが!!』
『・・・シドさん、あんた兄貴に騙されているよ・・・。』
『て言うか兄、勤労感謝の日はそう言う日じゃありません』
と言ったツッコミと至極常識的な反応に別れるであろう――・・・・。
まぁこの二日間は、双子にとっては、これ以上無いほどの愛を確かめ合う日、と言う間違った方向に位置づけられたと言う事だがこんな働く夫婦も居てもいいのかも知れない――・・・・。
BGM:PENICIRIN『99番目の夜』
戻ります。
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