組み敷かれて段々と力を込められてくるバドの身体を押しのけようにも、シドのHPは既に赤ゲージであり、近づいてくる顔を押しのけようと、ほぼふらふらな力しか入らない手で抵抗しても、少しの睡眠であっても、その精HPはほぼ満タンまで復活した兄にとって見れば、それは小鳥の羽でくすぐられているにも値しないほどの衝撃しか持たないものだったが、真剣にこれ以上されると身体が持たないと必死に抵抗を繰り返す弟は、何時にも増して・・・一刻前にあんなに味わいながらいただいたにも関わらず、満たされた筈の本能の空腹のツボを捕らえるには充分なほどに美味しそうに映っている。
「や、イヤです・・!もう今日は・・ッ駄目です・・・・・・っ」
そう言いながらぽろぽろと情事後で潤んだ瞳で涙を零すものの、それでも根底では弟を愛している兄は、流石に自分が無体な事をしていると、7:3の割合の後者の理性が働きかけてストップをかけるものの、今この時、微妙に涼しく感じる下半身にされたこと、そして7の本能の中でまた比率割すると、9,9:0,1の割合で嗜虐性:良心に区分分けされるこの男は、もうこうなってしまえばシドが浮かべる涙も、美味しそうに自分の中の雄を煽る材料にしかならない訳である。
「いいや、無理な相談だ・・・・・・、お前が大人しく寝ていれば。」
こんな事にはならなかったのになぁ・・・と耳元で、その中に熱っぽい吐息を吹き込むように囁きかけながら、力をかき集めていてもてんで無力な弟の掌をとって、直に自分の欲望に宛がってやると、その生々しさと硬さ、熱さにシドは今度は怯えたようにびくんと身体を震わせる。
「や、だ・・・っ!ゆるして、下さい・・・・。御免なさい・っ!」
「謝られても、なぁ・・っ、こうなっちまえば止まらない事よく知ってるだろ?」
その身体でと、更に耳元に唇を近づけて、そしてぺろりと軟骨を食みながら耳たぶをも甘噛みするバドの性技に翻弄されて、ぎゅっと目を閉じたシドの手は知らず宛がわれている兄自身を撫で上げてしまい、そうすることでますます彼の欲求は煽られる事に気が付いて、ますます顔を紅潮させながら青ざめていく。
「あ、・・許してっ・・・、なんでも、何でもしますから・・・っ!」
「へぇ?何でも?」
何時もは有能で冷静沈着の副官だが、この兄の前では綺麗さっぱりその能力は霧消してしまうのか、はたまた兄が破幻の瞳の使い手なのか、目の前の人間の皮を被った空腹の虎に対して正に生餌を差し出すかの如く、とんでもない墓穴を掘ってしまった事に気が付かないまま生贄の哀れな兎はこくこくと頷いた。
「じゃあ・・・・。」
ちら・・・と横目で目配せた先にあるベッドサイドにあるホワイトレリーフが掘られたサイドテーブル・・ではなくて、それよりちょっと奥の方、部屋の窓に背を向けた形で置かれている、自室で軽く片付けられるように設えられた二人で共用している執務用の肘掛け椅子を止めて、にやりと唇の端を吊り上げる。
「こっちにおいで・・・・。」
「えっ・・・?」
おいで・・と言いつつ既に、どんだけの体力が残っていたのかと問い掛けたくなるほど、軽々とシドの身体を抱き上げに持ち上げてベッドを下りたバドは、先ほどに目を付けた革張りの肘掛の椅子をぐいっと机から引き離すかのごとく片手でやや乱暴に引き寄せて、革の下にやや厚めに綿が詰め込まれている座板の上のシドの腰を下ろしてやると、そのままぐいっと大きく脚を肘掛部分に乗せるように広げてやる。
「やっ、ちょっとまっ・・・!!」
情事後の身体の上に羽織っただけの、皺が目立つバスローブは、シドの肩から腕を一応は覆い隠しそして座らせた腰の下に敷かれる形になって、全裸よりも艶めかしく彼の身体を引き立ててはいたが、残念ながら肝心の前を隠すには至らずに、兄のご機嫌斜めと言う名の欲情を更に煽り立てて行くことになる。
「暴れるな、怪我することになるぞ?」
くつくつと喉を鳴らしながら、さも生け捕った今宵のつまみを食べるその前の一運動とでも言わんばかりに、手早く折り曲げるように書く肘掛部に乗せた両膝裏を、その辺に放置していたのか、それとも最初から持って来たのかが定かではないが取り出した紐でくるくると幾重にも巻き、ぎゅっと固く肘掛下の部分で結んでいく。
「いやぁ、やめてくださいッ・・っぁ!」
幸い両手は拘束されないで自由を保ててはいたものの、不意にむき出しにされてしまった自身をつーっと指先でなぞられてしまい思わず掠れた声をもらしてしまい、平素から慣らされて兄によって気持ちが良いように開発されてしまったこの肉体を心底恨めしく感じ、吐息を漏らすまいと両手で口元を覆うシドを見届けると、満足そうに微笑んだバドは、先ほど没収した剃刀を取り出すと、ひたり・・・と淡く茂る弟の下腹部に押し当てる。
「や、やめて・・・っや、いやっ…!」
「考えたんだけども・・・俺ばかり良い様にされたのじゃ不公平だろ?」
その前に良い様にしたのは一体どこのどちら様ですか!!と思わず口を付いて出ようとするが、腰を浮かせては結び目を解こうと躍起になるシドに、バドは暴れたら負わなくていいところも怪我をするぞ?と、あくまでも口調は穏やかで、だがその手はしっかりと弟の顎を捕らえながら微笑みを浮かべるその顔は、優しいながらもどこか恐ろしさを含むそれであり、ひくんと身を竦ませた弟を労うように髪の毛を梳くと、大きく広げられた足元に身体を屈めて、自分よりも薄いソコをしょりしょりと音を立てながら、肌理やかな素肌を傷つけないように手を進めていく。
「同じな様でも、やっぱり違うもんだなぁ。」
「っ・・ぁっ」
「なぁ?俺のは結構大変じゃなかったか??お前のよりも量も多かっただろ?」
「ゃっ・・ぁ・・・・っ」
くくりつけた両足はびくびくとつま先に至るまで震えだし、下腹部で囁かれる低い声は、震え始める自身に息を吹きかけられるように囁かれて、シドの身体は抵抗どころか既に新たな熱を生み出し始め、窄まった秘部のあたりに手を伸ばされる事によってその熱は煽られてしまい、拘束されていない上半身は小刻みに仰け反り始めていた。
「や・・っそ、こはぁ・・っ!」
既に大きく広がるその部分も指先で押し広げられながら刃を立てられて、そして剃られていくその手を止めようとするもバドの唇が、隠し立てのしようのないほどに曝されてしまった自身の根元に飾られて膨らみかけている球体に触れてそのままぱく・・と食むと、弟は甘い声をあげて諫めていたその手を離してしまう。
「そう、そのまま・・・大人しくしてろ。」
そしてその隙を付いて、秘部周辺も綺麗に刈り取られてしまう感触に、散々兄を咥え込んでその精を受け止めた下の口が否がおうにもひくひくと収縮を開始して、その中からこぽ・・と音を立ててバドの白濁が漏れ落ちてしまうのを感じたシドは、その瞳からぽろぽろと涙を知らず零れさせる。
「よし、御終い。」
自分の出来栄えに満足したかのように立ち上がり、そのまま弟を放置して立ち去ろうとしたバドに、弟ははっとしたようになりながら自由の効く片手でしっかりとその腕を捕らえて、懇願するように兄の顔を見上げだす。
「どうした?」
「ぁ・・あっの・・っ・・」
熱に潤かされた瞳に、更に上気した頬に、そして薄く開かれた唇から吐き出される甘い吐息・・・それは何時も兄の本能を焼ききりながらも、彼の内包する嗜虐な熱を煽る天然的魔性。
たったあれだけの事で既に弟が感じ始めているのは明白だったが、それでもバドはその表情に込められる真意を無視しながら、意地悪そうに首を傾げて、何をして欲しいのかを言って見ろと言い捨てただけで、その捕らえてくる手を振り払おうとする。
「・・っ、けて・・・」
「なに?何をして欲しいって??」
「ぁ・・つ、づけて、くださいっ!・・・」
悲鳴の様に懇願してから、自分がどれほどの墓穴を深く掘ったのか、今更ながらに気が付いたように更に顔を真っ赤にさせるが、彼によって齎された熱は彼によってでしか鎮める事が出来ない事も、既に何度も何十度も繰り返した夜で身体で覚えこまされたシドは、身体の中心部がまた熱を孕んでいくのを感じ、そんな弟にバドは無言のままだが、優しげにくしゃり・・とその猫毛の髪の毛を柔らかく撫で上げると、机の上から羽ペンを手に取ってゆっくりと弟の前に立ち戻った。
「ああっ、ん、ああっ」
突起の先端を柔らかい羽毛が毛先からそして羽全体を使ってさわさわとくすぐられながら、もう片方の指先は触れるか触れられないかのタッチで引っ掻く様に触れられていく微弱な刺激をも大きく感じながら、シドは咽び泣きながら段々と胸の頂をしこらせていく。
「もうこんなにして・・・、本当にココだけでも感じやすいなぁお前。」
「やっ、ちがぅ・・・ぁッ!」
低く喉の奥で紡がれる声にシドはいやいやと頭を振るが、そんな強情も散々抱かれてきた恋人の前では無意味な事で、兄の上唇だけがつ・・と、赤く実りを帯びたそこに口付けとも言えないほどに軽く触れられることで更にびくんと身体を仰け反らせながら、もっと大きな刺激を感じたくておずおずとバドの髪に手を伸ばし絡めようとするが、それを振り切るようにしてするりと兄の頭は避けられて、行き場を失ったその手の中に今まで胸で柔らかく暴れていた羽ペンを握らされて、そのまま自分の胸に宛がわれる。
「そんなに触って欲しいなら自分で好きなようにやれよ。」
「っ!、ゃ、ああ、あ、ぁ・・っ」
否定する間も無く、大きく包み込まれた兄の手ごと自分の手が自分の突起をその羽でくすぐるように、そして羽全体で押しつぶすように動かされながら、それでも兄は弟に甘いのか、吸って欲しくて疼きだして限界まで硬くなっている突起にむしゃぶりつくように唇を覆い被す。
「ひぁっ、ああぁ・・・っ」
小粒のキャンディーの如くすっかりと芯を通して硬くなったそれを、ねっとりと絡ませた舌でつつきながらしゃぶりあげながらちゅくちゅくと食むように吸い上げてはこりこりと音を立てるように味わうように噛まれるその刺激に、既に兄の助けを必要としない程に、シドはもう片方の突起も同じような刺激を加えようと、羽だけでは飽き足らずに既にペンを取り落とし、直に触れて、摘み上げては軽く弾きながら自分の指先で段々と充血させていき、その連動で自身をも隆起させていく。
「あ、にい、さ、ぁ・・・ああっ」
丹念に丹念に舐めあげて、突起に唾液を塗りこめるように嬲りあげていたバドの唇がちゅぱ・・と音を立てながら離れると、そのまま下へ下へと降りて行き、そうすることですっかりと敏感に勃ち上がる自身を見つめられる視線に曝されていつの間にか自分で慰めていたはずのシドの手は止まっていた
「もう、そこは良いのか?」
「っ、そんな・・・ぁっ!」
「次は・・・ココか?」
そしてそれをバドは目ざとく目を付けて、再びシドの手を取ると、先ほど剃り終えた刈り跡に二~三、円を描くように触れさせては、既に滾り始めている弟自身の先端に指腹を擦りつけさせながら尚も辱めていく。
「や、ぁ・・・・っ」
既にぬるぬるとした透明な液が先端から溢れ己の指先を濡らし、くくりつけられた両足が微かな刺激に耐えられないかのように震えだしているが、最後に残る理性からか中々口に出さずに頭を振るばかりのシドに、そこまではまだ許容範囲内だと言わんばかりに、バドはそのまま先端を撫でさせる弟の手を利き手で固定しながら、もう一方の手で抵抗は解けてはいるが薄皮一枚の強情を破るが為に、閉じられずにむき出されている秘部を更に二本の指で押し広げてやる。
「っ!!や、やめてっ!おねがい・・やめ、っ」
薄暗い中でも判る、てらてらと光るそれ、先ほど散々自分の分身が弟の内部に入り込み貪り、思う様に掻き乱した果ての残骸。
それが広げられる事で、見られていることに反応しひくひくと蠢いて少しずつ零れだしてくるのを見つめながら、バドは溢れ出てきた自分の白濁を指に絡めとり、もう一度その入り口に指を這わせて軽くこすり付けるようになぞりあげてやる。
「や、ああぁんっ」
微かに兄が唾を飲む音が聞こえ、それを否定するように頭を振り彼の頭を押し返そうと手を伸ばすシドよりも一瞬早く、そのまま指を突きこまれ、それを歓迎するかのようにぐねぐねと蠢きながら柔らかく侵食を手助けする肉壁。
「凄いな・・・またこんなに締上げて・・・。」
あんなに愛してやったのに、もの凄い欲望を孕んでいるんだな?
「そんなことな、・・・いやあぁっ、あ、は・・・あうぅ・・・」
まだ足りないのか?と囁かれながら、否定するように頭を振るものの、身体は十二分に反応を返していてぐちゅぐちゅ・・と先ほど放出された白濁を押し戻されるように内壁のスポットをいたぶられる度に、自身の先端に宛がわれた指先には、更なる熱い滑りを覚え、じわじわとためらいを薄れさせていく。
「あっ、ああ、んぁぁっ!」
秘部に挿入された指が段々と早まるにつれて、先端だけでは飽き足らずに、包み込まれているバドの手を振り切るようにやわやわと先端だけ動かしているには飽き足らず、徐々に硬くそそり立つ茎をなぞるように降りて行くのを見届けてやったバドはにやりとほくそ笑んで、もう必要の無い自分の手を外して、押し広げる指と挿入していた役割の指を別々に分担し、改めて大きく二本の指で更に広げながら、ぐちゅぐちゅと啼きながら彼を誘うかのごとく収縮を早めていくその場所に一気に四本の指を突きたてて大きくかき混ぜていく。
「ひ、あっ、あああっやぁぁ!あんっ、そこ、そんなに・・・っ!」
「そんなにしたらどうなるんだ?ん?」
こんな小さな部分に何時も大きく滾った己の自身を咥え込んでいるのか・・と、バドは段々と欲求を抑えきれずにいるが、それをどうにか押し留めながら自身では与えられない、指先だけで齎せる快楽でもっと弟を狂わせようと、細かな肉壁の悦部を強弱をつけて突き立てながら、びくびくと震えて限界を訴えている自身にゆるゆると指を絡ませて微弱に扱いているシドの手を再度、秘部を広げていた手をそこに持って行き強く握りこみ荒々しい動きで上下に扱き出しながら、重く膨らむ根元の球体に舌先を這わせて、ふにふにと音を立てるかのように唇で覆い隠しながら断続的に食んでいく刺激を与えながら絶頂へと昂ぶらせていく。
「やっん、やぁあっん、い、・くぅっ、あああああっ!」
小休止を挟んでいるとは言え、既に快楽の虜となっている身体は素直に反応を示して、ぬるぬると迸っていた先端からは少し薄めになった精を迸らせ、上半身はおろか、がくがくと腰から括られている両足、そしてつま先に至るまで大きく仰け反らせながら、何度目かの狂態を兄に見せ付けながらシドは達していった。
「・・・・ん、ぁ・・は、ぁ・・はあ・・・っ」
開脚を解く為に紐を解いたと同時に、くっきりと細く赤い痣が浮き出た両足が力なく肘掛からずり落ちてそのまま身体も椅子から滑り落ちそうになるシドの身体を支えながらバドは、放心状態でぼんやりしながらもまだ意識の残る弟を労るように抱きしめて髪の毛を撫で付けてやる。
「ん・・にぃさん・・・・?」
ぼんやりと霞む思考で、潤んだ瞳でじぃ・・と見上げられれば流石に自分が無体な事をしてしまったと、まだ己自身が臨戦態勢とは言え微かに残っていた良心を痛めつけられるが、そんな兄をシドはぎゅっと抱きしめ返してそっと囁く。
「もう・・気はお済みですか・・・・・?」
「え・・・;」
言葉だけ聞けば当てこすりに聞こえるのだが、でもシドのその手は先ほどから張り詰めている兄自身に滑り落ちて愛しそうに、その硬さを確かめるように静かに、先ほど自分がされたように触れるか触れないかの強さで撫で上げている。
「ちょっ、ぁ・・まて・・って・・・んっ」
「ここまで・・・、されたのですから・・・っ、・・・・・。」
「え?」
潤む瞳を俯かせながら、もごもごと口ごもっていたが、消え入りそうなその声で責任を取って欲しい・・・という言葉が耳に届いて、バドは良いのか?と聞き返す。
それは流石に弟が壊れてしまうのでは・・と、今更ながらに逡巡するバドに、シドは力なくではあるが、仕方が無いでしょう・・と苦笑する。
「そんなあなたを、好きになってしまったのですから・・・・・・。」
「っ///」
そういってしまって、照れが巡ったのか耳たぶまで赤くなりぎゅっと更に抱きつく弟をしゃにむに言葉なく力いっぱい抱きしめながら、バドはシドを横抱きに抱えあげ、幾夜もお互いに愛し合い身体を休めあう寝台の上に運んでとすん・・と柔らかく押し倒した。
「こんな男で申し訳ない・・・・。」
「柄でもない事を言わないで下さいな?」
そう俯く自分に、ツン・・と鼻先に指を押し当てて微笑む弟にバドは軽くその指先に口付けて、そして気を紛らわせるように啄ばむキスを幾度も幾度も落としながら、ぐっと脚を抱えあげて腰を浮かせてやりながら、ゆっくりと・・・だが確実な質量と熱でもってシドの内部に入り込んで熱をその中で解き放つ為に犯入させていく。
「あっああ、あーー!」
そして既に疲れきっているはずなのに、兄が体内に入り込むたびにぎゅうぎゅうと締め付けては離さないように収縮する肉壁と、彼の自身の熱さとその太さと硬さに煽られるようにしなやかな身体を更に撓らせては咥え込んでいく弟を、バドは優しく抱きとめながら、ハァハァと荒い息を整えるためにこの夜で何度交わしたか知れない口付けを半開きの唇に落としていく。
「んっは・・ぁ、ああっ!」
舌を絡めて吸い上げて、一時瞳と瞳を合わせて見つめあい、微かに頷く弟を見届けたバドは、今しがた自分がそり落としたシドの下腹部の跡を軽くなぞりあげてやりながら、一瞬そちらに気を奪われて息を飲んだ隙に更に奥へ奥へと誘われ、そのままの勢いを削ぐ事無く強くシドを貫く為に動き始めていく。
「やっ、ああっ、ああっんっ、に・・さん・・・!・・・ぁあっ!」
突いて行く度に、内部でぐちゃぐちゃと先ほど吐き出した自分の残骸を、己の自身でかき出す様に動くたびにシドが啼く。
だがそれは無駄なことで、その更なる奥に新たにせり上がっていく熱を吐き出すためにバドは、その白い身体に先ほど付けた朱華と少しずれた位置にまた新たに唇を落としては啄ばんで、この身体中、そして心も自分だけの物だという証を刻み付けるように、無意識か荒々しく歯すら立てて吸い上げていく。
「あっ、ああっ、バド、バ・・ドッ・・ッ!あああっあっ」
「こん、なっ・・・俺だから・・・感じてる・・っのか・・くっ・・ぅ・・っ?」
ずり上がっていきそうになる身体を押さえつけながら、最後には優位に立つ兄の言葉にシドはまた顔が赤らんでいくのを感じたが、その言葉は嘘偽りの無い事実でありそれを認めて頷いたのと同時、弟の内部は更に熱くひくついて、一滴の精すら残さずに注ぎいれて欲しいと言わんばかりに、シドの腰もバドを受け入れて先程よりも積極的に動いていく。
「は、ぃ・・ッ、あなただけ・・ぁあっ、だから・・っ!あ、あああああっ」
散々達かされた身体はシドの告白の言葉を最後まで紡ぐ事すら待ちきれないように、頑丈なベッドすら壊れてしまうのではないかと言う軋み音と共に何度目かの絶頂を容易に迎えさせ、そして無意識の内に中に入るバド自身も先ほどの比ではないほどに締上げられて咥え込まれながら、彼の欲望の通りに弟の中にたっぷりと熱い液を注ぎいれて満たしていく。
その衝撃を受け止めたのがタイムリミットだったかのようにシドの意識は急速に萎んでいき、この夜の最後の記憶はふわりと彼に抱きとめられた所で途切れ、そしてその夜は静かに更けて行ったのだった。
そしてその翌々日・・・・。
休暇を終えて出て来た副官の、心なしかやつれた様子とそれでもどこか幸福そうな表情をしたかと思えば、顔を赤らめて俯く姿を遠巻きに目撃した、隊長・暴れ馬以下数名は、また何か疲れとストレスを溜めこめたのではないのかと危惧していたが、彼から発するどこか桃色の艶やかな小宇宙に当てられて近づけずに真相を聞けずじまいでいる中、それと比例するように何時にもまして惚気の小宇宙を垂れ流しにするほくほく顔の双子の兄の隣に並ぶ悪友は密かに、この休日一体彼らが何をやらかしていたのか大体は予想は付いたがそれを口に出して言うほど暇ではなかったので放置して・・だが、一定の距離を保って彼に接して勤務に勤しんでいたと言う以外は、双子のシモの事情など知る良しも無い何ら関係の無い人間からしてみれば新年から数日経過したアスガルド・ワルハラ宮内は今年もまた平和である事を実感する事ができたと言う・・・。
戻ります。