本気で泣かせたい?猗窩童

若干えっちです(R14くらい)

初めに言っておく。”今”の俺には加虐趣味など一切ないし、あいつを本気で泣かせたいとも思ってはいない。 ちなみに泣かせるのは無しでも鳴かせるのはありですよねデュフフフとか抜かした奴は、後で面を貸せ。 それはさておき。俺は本気であいつを泣かせたいとは思わない、そう思っていた。 『じゃあ、今日の動画はここまで! 見てくれてありがとうねー、バイバーイ』 自室にて動画を撮影している童磨の明るい声が聞こえる。動画配信もビジネスモデルの一環として、顧客(信者)会得に向けて始めたことで、今では押しも押されもせぬチャンネルとして知られている。 ネット上でもあいつのおっとりした話し方や包容力、何よりも見目が麗しいこともあって、今生でもあっという間に”教祖様”と有象無象の人間たちから呼ばれるようになってたちまちビジネスを軌道に乗せた。 ”昔”はリアル教祖で、現在はマインドコーチでありながらもバーチャルリアリティーの教祖。あいつはどこまで行っても俺以外のものであることを今更ながらに突き付けてくる。 「ふぅ、終わった~」 んんーーーっと大きく伸びをする声が聞こえてきたのを確認し、俺はおざなりにノックをすると返事を待たずにドアを開ける。 「あ、猗窩座殿」 通気性の良いファブリックのゲーミングチェアに腰を掛けたままの童磨が椅子ごとくるりとこちらを振り向く。 「お疲れ」 「ふふ、ありがと♡」 マグカップに注ぎ入れたココアを差し出せば、甘ったるい声と笑顔で見上げてくる美しく、おおらかな男。 その性格が体格にも表れたかのように今生でも俺より大きいのは男として少し悔しい部分もあるが、同時に納得できるところでもある。 「ね、猗窩座殿。ぎゅってして」 両手で受け取ったマグカップに口をつけ三口ほどココアを飲んで、だっこをせがむようにに両手を差し伸べてくる此奴のにへら、とした信頼しきった顔。 この表情を今、間近で見ているのはもちろん俺だけだ。 そしてこれ以上にないほど腑抜けた俺の顔を見ているのもこいつだけで。 「しょうがな」 「あっ!」 突然出された大きな声に、俺は思わずビクッとなる。慌てたように童磨が椅子を戻して、コーナーデスクの上にあるノートパソコンに手を伸ばし、そのままディスプレイをぱたりと閉じた。 「おい、まさか」 「うん…Webカメラの電源切れてなかったみたいで」 「おまっ……!」 「あ、大丈夫。生配信じゃないから。猗窩座殿の顔が映ってもこっちで処理できるから安心して」 にかーっと笑いかけてくる童磨の顔を見て、ざわりとした感覚が迸った。 もし、このまま。 生配信中だとして。 抱きとめたままキスをして、その先まで進めたとしたら。 お前はどういった態度をとるのか? 止めてくれと泣きながら懇願するのか? それとも蕩け切った顔をカメラの前で惜しげもなく晒し、俺を受け入れながら鳴くのか? 「? あかざど、の…っ!」 無言になった俺をつんつんとつつく童磨の指を絡めてそのまま指先にキスをする。 「え、えぇ、ちょ、まっ」 「待たん」 「えぇえ、急だなぁ、ん」 軽く指先を嚙んだ後、にへらと笑う童磨の唇にそのまま自分の唇を重ね合わせると、ほのかに甘いココアの味がする。 「ん、ぅ、ふぅ、ぁ」 表面同士のすり合わせだけじゃ足りない。もっともっと深いのが欲しい。 「んぅぅ、っ、んむっ、ん、」 唇を舌先で突けばそのまま従順に薄く開き、そのまま舌を絡めていく。 鬼時代ほどではないが、長い縹色の爪が俺の腕に立てられて微かに食い込んでいく。 その痛みに我に返るも、目を閉じたままキスを享受している童磨を盗み見ては、閉じているノートパソコンへと視線を向ける。 例えカメラが動いていたとしても、生配信用ではないのだから、この姿は他の誰にも見ることは出来ない。 そもそも設定如何によっては、ディスプレイを閉じた時点で電源が切れている可能性すらある。 ただ、一度想像してしまったものは徹底的に検証し、吐き出さなければ満たされることなどなく。 「はふ…♡ んっ…♡ ここで、するの?」 下唇を甘く噛んで唇を離せば、童磨は虹色の中にハートマークを描いているかのようなとろんとした瞳で俺を見上げてくる。 そんな童磨に俺は笑いかけ、リクライニング機能を使って椅子の背もたれを目いっぱい倒す。 「ぁっ…♡ も、ぅ、情熱的だなぁ、猗窩座殿はぁ♡」 「ぬかせ、お前だって興奮しているだろ?」 「んぁっ♡」 すでに期待し始めている下腹部をまさぐれば、甘く煽るように声を上げる。 「今日は手加減しない」 「ふふ♡そっかぁ♡」 俺の宣告に対し、さも嬉しそうに笑う童磨に、俺もニッコリと笑いかける。 本当に、手加減ができそうにない。 達しても達しても何度も何度も貪り尽くして、その様子を映像に残し、それを流しながら抱いたお前は泣くのだろうか、それともさらに歓喜に鳴くのだろうか? こいつの身体に覆いかぶさって目尻から頬、首筋を唇でたどりながら、妄想に茹った俺の片手はコーナーデスク上のノートパソコンのディスプレイにかかり、そのままゆっくりと持ち上げていった。

元ネタ

☆3話目:続きを読む.comに投下した独占欲バリバリな座殿。
どう考えても拙宅の座殿、矢印の量も重さもクソデカいですwww
どまさんがお仕事で動画を配信しているのは分かっていても、やっぱり〝昔〟の反動でもっと見てほしいと思っている時期ってあったと思います。

その独占欲が超反応を起こして、時折どまさんの配信用動画に謎のバックダンサーとしてゲスト出演するみたいな展開を実は考えていましたw何でやねん。

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